夏休みの宿題攻略方法

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自由研究の意義は

毎年夏休みになると、この自由研究には頭を悩ませた。
大抵は科学の実験や動植物の観察が主で、この手の宿題はいわば子供達にとって自分のアイデアや発想を発揮させるためのイベントのようなものだった。一方、“自由”という意味の広さが邪魔してなかなかテーマが絞り込めないという弱点もあった。何を隠そう、私はその罠にはまりやすい子供だった。十円玉を綺麗に磨く方法やスライムの作り方、研究材料は沢山転がっているにもかかわらず、人が既に手をつけた研究を重ねてやるのがイヤでいつも「何をやろうか」と一人無い知恵を絞っていた。とは言え実験方面は材料の準備が面倒なので、大体は動植物の観察に収まっていた。ある年、裏山に生えている植物の調査をテーマに祖母と二人、慣れない坂道に悪戦苦闘しながら植物の写真を撮り、花の色や特徴などを細かくメモに書いていった。調査が終わり、それぞれのレポートをまとめ提出まで後一歩と言う時、ある重大な欠点を発見した。
それは、どの植物をどこで見つけたかという分布図、つまり裏山の地図を絵に起こす作業だった。結局間に合わせで分布図を作成し、無事提出できたのだが、レポートの出来栄えが良かっただけに、我ながら幼稚な地図を描いてしまったと少しだけ後悔した。
自由研究には実験や観察結果の有無の他、思いもよらぬ能力、たとえば絵で説明する際のデッサン力や文章力、地図を頭で把握する能力などあらゆる能力が求められる。宿題と考えてついイヤなものと認識していたが、今にして思えば、それらの能力をいかに使いこなすかの面白さを教えてくれる絶好の機会でもあった。
算数や国語のドリルがひしめき合っていた夏休み。
自由研究は、勉強の合間の気分転換と感性を育むための宿題だったんじゃないかと今では思う。

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